天然酵母・地粉をつかったやさしいパン
高野西開町、大原通りに面した場所に緑のテントのパン屋「パンドラディ」さんがあります。この秋で開店から39年、地域のお客さんに愛される老舗です。
天然酵母、国内産小麦粉、その他の材料も安心できる素材を使うのが店長の藤井さんのこだわりで、開店当初はイースト発酵のパンでしたが、独学で天然酵母のパン作りを探求、一年半ですべてのパンを天然酵母にしました。アレルギーにも配慮し、パンの照りをだすために使っていた卵はやめたそうです。
店内には自慢のパンやジャム・コーヒーなどの他、様々なチラシが。沖縄の米軍基地建設問題やパレスチナ情勢を伝えるもの、脱原発を支持するポスターなどが、壁や棚に並びます。レジ近くの募金箱は、東日本大震災のあと何かできないかと設置。法然院さんを介して、岩手・宮城・福島で活動されている方たちに渡して使ってもらっています。前の日に焼いたパンは値引きして販売し、募金につなげています。
手前が店名にもなっている「パンドラディ」。
「私は、生活のなかでできることをしているだけです。無理はできないので。普段から、いろんな運動にずっと取り組んでくれている方々がいるおかげです」
ほのかな甘みと酵母の香りを感じるパンには、藤井さんの誠実な人柄が感じられます。