公益社団法人 信和会 京都民医連第二中央病院

特集3 精神科 デイケア

当院精神科デイケアは1989年に開所しました。20代前半から70代後半と幅広い世代の方が利用されています。

地域で自立して暮らすために

デイケアと聞くと高齢者が通う場所というイメージを持つ方もいると思います。精神科デイケアは、うつ病や統合失調症等で精神科に通院中の患者さんを対象にした、生活支援を含めたリハビリテーション治療の場で、その対象は必ずしも高齢者に限りません。

こんな事をしています

生活のリズムを作りたい、対人関係を学びたい、困ったことを相談したい、日中活動できる場所がほしい、社会参加の準備をしたいなど利用の目的は様々です。
散歩、卓球など運動系プログラムをはじめミーティング、手工芸、院外レクなど多様なプログラムを実施しています。当院の精神科に通院している方が対象となります。

寄り添ったケアを

誰もが住み慣れた家、地域で暮らしたいと思うことは当然だと思います。
当院精神科デイケアでは、看護師、臨床心理士、精神保健福祉士がスタッフとして勤務しており、患者さんの地域で暮らし続けたいという思いにどう寄り添うかを多職種で考えています。
また、市の障害保健福祉課やハローワーク、就労支援事業所、サービス支援事業所等とも連携し、利用者の方々の「○○がしたい」、「○○ができるようになりたい」という思いの実現をお手伝いしています。

スタッフに話を聞きました

益本 佳明さん
(社会福祉士・精神保健福祉士)

ソーシャルワーカーが働く場所は医療機関、作業所、行政機関、司法施設、介護施設、地域包括支援センターなど様々です。それぞれの場所で果たす役割も違います。なかでも精神科デイケアでは、対等な立場で利用者さんと接することが大切です。日々のコミュニケーションや観察を行うなかで、その人の生活のしづらさが何なのかを一緒に考えて生活支援を進めています。
目の前にいる患者さんのことを「知る」ためには「何故?」と疑問を持つことが大切だと感じます。患者さんの表情の変化や普段とは違った言動には必ず理由があります。その理由はただ患者さんを観察しているだけではわからないもので、会話を通して気が付くことも多いです。
制度がこうなっているから仕方がないと考えていては本当に必要な支援ができないと感じます。今ある制度に当てはめるだけではなく、その人にあった支援を進めていくために、必要な社会資源を開発するなど社会にも訴えかけていくことが大切だと感じています。