公益社団法人 信和会 京都民医連第二中央病院

「困ったときのあすかいさん」へ ~70年の歴史とこれから~

患者宅にて診察する安井医師

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万里小路にあった安井医院

本年10月、京都民医連あすかい病院は70周年を迎えました。
1937年10月、今日の病院の土台となる安井医院が開業。当時の安井信雄院長は、保険患者は全患者の1~2割と貧困層の多かったこの地域で、「お金はある時に払えばええ」と、“いのちの平等”を信条に医療活動をはじめました。その後、地域の皆さまからの10円、50円の積み立てで1955年7月11日に安井病院を開設、同時に全日本民医連に加盟しています。戦後10年に当たる年でした。
経済が復興し日常には平和がもどりつつありましたが、働く人びとの暮らしはまだその日の糧を得るだけで精一杯。この地域では日雇健康保険や生活保護が多く、健康保険制度も不十分、私費扱いの患者さんも多数いて医療を受ける権利が保障されているとは言えない状況でした。そんな中、地域の方々の“いつでも安心して良い医療が受けたい”という切実な願いと強い期待のもと、病院建設への出資や患者紹介など物心両面にわたる協力を受けて安井病院はつくられました。こうした歴史を当院は引き継ぎ、現在も共同組織のみなさまと共に地域の医療・介護を守るために活動を続けています。
1997年に現在の北館が完成、安井病院から京都民医連第二中央病院へと改称しました。そして2019年には南館を建て替え、現在の京都民医連あすかい病院に改称しました。地域では基幹病院としての役割を担っています。この1997年の北館建て替え、2019年南館リニューアル時にも地域の皆さまから沢山の建設協力金、基金、寄付をお寄せいただきました。
2025年は、28年経過した北館の大規模改修を計画しており「あすかい病院北館大規模改修事業特定協力金」に取り組みます。トイレの改修、浴室、壁紙の改修、また建物内部の配管工事や昇降機のリニューアルを行います。地域の皆さまのご協力をお願い致します。
私たちは“いのちの平等”を掲げ、地域住民の切実な要求に応える医療を実践してきました。かつて「困ったときには安井さん」と言われていたように、「あすかいさん」と信頼・親しみを込めて呼んでいただける病院であり続けたいと思います。