特集1 精神科外来の紹介
あすかい病院の精神科外来は、体がしんどい時に内科を受診されるように、「気持ちがしんどい」「眠れない」といった時に気軽にかかれることを目指しています。生活の場に近く、毎日診療があり、必要な時には他の診療科や専門医療機関への紹介も行える〝普段づかい〞のできる外来です。
精神科医長(あすかい病院副院長)
近藤 悟
私の外来には、10代後半から高齢の方まで受診されており、病気もうつ病、統合失調症、発達障害、認知症と幅広く診療しています。物忘れ外来を担当していたこともあり、認知症が心配という方の診療にもお応えできます。
また、訪問診療(原則は高齢の方が対象)も行っていますので、足腰が弱くて通院が難しいという方はご相談ください。
精神科領域には、医師以外にも臨床心理士が勤務していますので、主治医とご相談の上で心理検査やカウンセリングを受けることも可能です。経済的なことや生活面での心配がある場合は、ソーシャルワーカーがご相談にのります。
各専門職と連携して、みなさんのご要望にお応えできるかかりやすい外来を目指しています。
精神科医
伊藤 明
私が当院で精神科の診療を始めてから、もう四十年が経とうとしています。あすかい病院で診療をしようと決めたのは、精神科専門病院でない病院で外来診療を中心とし、できるだけ敷居が低く受診しやすい精神科でありたいと考えたからでした。
近年の外来診療は、予約制が一般的となっています。しかし、当院精神科では予約なしで受診できる体制も続けています。それは先ほどの受診しやすい精神科への思いからです。
精神科は、社会の状況に強い影響を受ける科でもあります。格差社会の進行による経済的な問題で、将来に対する不安を強く持っているといったケースが多くなっていると感じます。精神科医療ができる事は限られているかもしれませんが、可能な限りみなさんの応援団でありたいと願いつつ診療にあたっています。
精神科医
栂野 春奈
最近、新しくお会いする患者さんに20代前半の方が多いと感じています。
不安、恐怖、気分の落ち込みなど、抱えている悩みは人それぞれです。人生を切り開きながら自分の限界を知って、その限界と折り合いをつけたり、超えようとしたりしていく中では、悩みを抱えざるを得ないこともあると思います。
一方、人生の悩みと脳の生み出す症状は区別し難いことがあり、それらが絡まり合って身動きが取れず、結果的に自身のエネルギーが低下して、悩むこと自体が難しくなることもあります。
私たちは人生の専門家ではありませんが、お話を伺うことで絡まった問題を整理するとともに、時に薬物療法を用いて、患者さんが今抱いている悩みに、適切に向き合えるように支援させていただきたいと思っています。
右から近藤 悟、伊藤 明、栂野 春奈