公益社団法人 信和会 京都民医連第二中央病院

特集2 リハビリって何してるの? 意外と知らない?病院&訪問リハビリをご紹介

実際に受けてみないとわからないリハビリ。こんなことしているんだなぁと知っていただけたら嬉しいです。

回復期リハビリテーション病棟(回リハ病棟)

回リハ病棟は、脳卒中や大腿骨骨折などで入院した患者さんが、元気を取り戻し、日常生活に戻るための特別な場所です。病状が安定した後、患者さんはここで集中的に楽しくリハビリを受けながら、毎日過ごしていただきます。なんと、365日休むことなくリハビリが行われ、栄養面でもサポートを受けながら、元気をチャージ。リハビリスタッフやその他の専門家たちが協力して、患者さんが退院後も自分らしい生活ができるようサポートします。
リハビリスタッフはみんな同じ制服を着ていますが、実はそれぞれ得意な分野が違います。

理学療法士(PT)

歩く練習や筋力をアップさせるために頑張っています。立ち上がりや階段昇降の練習を通じて、日常生活をもっと自分らしく送れるようにお手伝いしています。
時にはバスに乗ったり、自転車に乗ったりと、外出の練習も。様々な手段でどこまでも行けるようサポートします。

作業療法士(OT)

身体の麻痺や記憶、注意力の問題に向き合いながら、日常生活をもっと楽にする方法を見つけてくれる頼もしい存在です。
食事やトイレ、家事などの練習を通じて、患者さんができるようになりたいことを一緒に目指します。もちろん、仕事や趣味もサポート。患者さんの夢をかなえる手助けをします。

言語聴覚士(ST)

言葉をうまく話す練習や食事の際の嚥下(飲み込み)のリハビリを、楽しく、安心できる雰囲気で行います。
言葉がうまく出るようになったり、おいしく食事ができるようになったり、患者さんの笑顔を取り戻すお手伝いをしています。

リハビリを受けられた方が元気になって良かった!と安心してご自宅に帰っていただけるよう、一丸となって患者さん、ご家族を全力で支えていきます。

一般病棟部門

入院リハビリ課のうち、回復期リハビリ病棟を除いた3つの病棟(一般急性期病棟・緩和ケア病棟・地域包括ケア病棟)のリハビリを担当するスタッフを一般病棟部門としています。

一般急性期病棟(南館2階)

一般急性期病棟では主に内科疾患で入院された患者さんのリハビリを行っています。高齢の患者さんの場合、肺炎や感染症などで入院し、数日間ベッドの上で過ごすことで動作能力が大きく低下してしまうことがよくあります。
当病棟では速やかにリハビリを開始し、疾患の治療が終わったらスムーズに退院できることを目指しています。また、嚥下障害の評価・治療にも力を入れており、PT・OT・STで協力して安全な経口摂取と栄養状態のアップをめざしています。

地域包括ケア病棟(北館3階)

地域包括ケア病棟では、おもに治療を終えた患者さんや状態が安定した患者さんに対し、退院後も自宅や施設などで安心して生活できるよう、看護師や介護福祉士と協力しながら、生活リハビリ(着替えやトイレ、入浴など日常生活で行う動作をリハビリと捉えて行うこと)を中心に、リハビリをしています。
また、介護福祉士が中心となり、10名程度の患者さんと体操やレクリエーションを行い、集団での活動も提供しています。

緩和ケア病棟(南館3階)

緩和ケア病棟のリハビリは、環境・気持ち・身体を整え、穏やかに過ごせるようサポートします。痛みや不安を和らげるだけでなく、患者さんの思いに寄り添い、「今日この瞬間がよかった」と感じられる時間を大切にしています。
やりたいこと、やり残した作業に寄り添い、自分らしく過ごせるよう、お手伝いしていきます。

訪問リハビリってなんだろう…?

訪問リハビリは、地域の方が住み慣れた地域でその方らしい暮らしが出来るよう支援しています。病院やリハビリ施設へ通うことが難しかったり、退院・退所後の在宅生活に不安がある場合や、主治医により訪問リハビリの必要性が認められたときに訪問リハビリを行います。
皆さんのお家に行かせていただき、実際に生活している場でリハビリを行えることが大きな特徴です。例えば「自宅の台所で料理の練習がしたい」「家のお風呂に入りたい」「近所のスーパーまで買い物に行きたい」「家でも美味しく食事が摂りたい」など利用者さんの希望に寄り添いながら、そのために必要な身体機能を高めたり、実際の動作場面での練習を行うなど、より安全に行える方法を提案します。
また、利用者さんご本人だけでなく「どう介助していいのか分からない」「介助している自分の身体がつらい」といったご家族や介助者の方の不安や心配に対しても、手すりや杖・歩行器など福祉用具の提案や実際の介助方法の指導・相談などサポート。
他の事業所の多職種ともチームを作って連携を取りながら、その方らしい生き方ができるように支援しています。難病支援や終末期の看取りの支援なども行っています。

Q.どんな場合に訪問リハビリを受けた方がいいの?
  • 出かける機会が減り、歩くことに不安がある。よく転ぶ、転びそうになってきた
  • 今まで出来ていたことが難しくなってきた
  • 退院後、家での生活に不安がある
  • 自主トレーニングをしたいが、何をしたらいいか分からない
Q.どうしたら訪問リハビリを利用できるの?
  • 介護保険・医療保険での訪問リハビリがありますが、原則として介護認定を受けている方は介護保険優先となります。
  • 介護保険で訪問リハビリを利用する場合は、主治医に訪問リハビリを利用したい旨を伝えるか、ケアマネジャーに相談し、ケアマネジャーから主治医に依頼してもらいます。3ヶ月に一度受診をしてリハビリの指示書を発行してもらう必要があります。
  • 医療保険で訪問リハビリを利用する場合は、主治医に訪問リハビリを利用したい旨を伝えます。1か月に一度訪問診療受診をしてリハビリの指示書を発行してもらう必要があります。
Q.訪問リハビリってどんなことをするの?
  • ベッドからの寝起き動作、立ち座り、安定して座る、歩くなどの練習
  • トイレ動作や着替え・入浴動作・食事などの生活動作練習
  • 利用者さんの身体や自宅環境を考慮した福祉用具の提案や使いこなしの練習
  • 住宅改修のアドバイスや改修後の動作方法の練習
  • ご家族への介助方法の指導
  • 身体が固くならないように関節を動かしたり、床ずれが出来ないようなポジショニングの提案
  • コミュニケーション方法の提案や道具を使用してのコミュニケーション方法の練習
  • 安全に食事が楽しめるように食形態や食具の検討、食べ方の指導
  • 自主トレーニングのメニュー作成・指導・チェック

いかがでしたか?病院のリハビリ、訪問リハビリについてイメージがつきましたでしょうか?
あなたの健康や生活を守る!そこにリハビリはいつも伴走しています。
何か困ったらリハビリの人に相談してみよう、そんな存在であり続けます。お気軽にお声かけ下さい。