特集1 健診のすすめ

あすかい病院 医師
中田 徹
皆様、地域や職場で年一回行われている健診は受けているでしょうか。受けている方、健診結果を見直して、有意義に生活改善に活かせているでしょうか。人生の最後まで体を良い状態に保ち、快適に心豊かに暮らすために、健診は重要な役割を果たします。
健康寿命を延ばす
日本人の平均寿命は80年を超えています。一方で健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)はそれより10年ほど短い、つまり最後の10年は体の障害などで介護や支援が必要な状態になっているということです。
死ぬ直前まで元気でいたいと、ほとんどの方が考えているでしょう。そうあるためには健康管理を普段から心がけていく必要があります。体の衰えや病気の多くは急に起こるのではなく、不摂生な生活の積み重ねでだんだんと進み、元には戻せないものだからです。
体の状態や生活の質を損なう要因
運動不足は足腰を衰えさせ、寝たきりの大きな原因になります。フレイルという言葉が近年よく言われます。自分の足で歩けなくなると日常生活がままならず、社会との交流も細り、認知症にもつながります。
偏った食生活・肥満・運動不足など不摂生な生活は、いわゆる生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病など)を招きます。放置すると血管は老化が進みボロボロになっていきます(動脈硬化といいます)。この動脈硬化が脳卒中や心筋梗塞などの大病を引き起こし、生活が大きく損なわれてしまいます。
これらを定期的にチェックして生活改善を進めるために、健診が行われています。
健診で年一回は健康チェックを
生活習慣病には症状がほとんどなく、自分では気付けません。健康なつもりで無頓着に過ごすうちに病気は進みます。何もしないと体は年々衰え、後からでは取り戻せません。40歳を過ぎたら老化を防ぐ意識を持って生活を見直すべきなのです。
自覚症状がなくても年に一回は健診を受け、血圧測定・血液検査等で健康状態をチェックしていきましょう。同時に、健診結果を元に普段の生活を振り返り、見直していくことが非常に重要です。健診は受けた後が大事なのです。
なお、癌のチェックも大切です。早く見つければ治りますが、症状が出てからでは手遅れになりがちです。頻度の高い癌(胃、大腸、肺、子宮、乳腺、前立腺)については検診が行われています。推奨年齢に達したら定期的に受けておきましょう。
あすかい病院の健診センターでは職域健診や京都市の特定健診、各種のがん検診や人間ドック等に幅広く対応しています。様々なオプション検査も追加できます。
皆様の受診をお待ちしております。