京都民医連第二中央病院広報誌 2006年6月発行 vol. 6

第二中央病院は医師研修を受け入れています

地域の要望に答える医師育成をめざして

研修 当院では毎年卒後1、2年目の研修医を受け入れています。内科学、外科学の基本を学びながら、臓器の一部だけをみるのではなく社会的背景も十分考慮できる総合的な思考力を身につけることを目指しています。基本的には指導医が1名つき、日常の指導を行なうと共に、各臓器別(消化器、循環器、呼吸器、神経、腎、リウマチなど)には専門医がいるため、ケースに応じて相談するシステムをとっています。また対応できない分野や医療内容に対しては地域の医療ネットワークをいかし、他病院と連携をとりながら対応するようにしています。こうした方向付けができるようになることも医師が身につけるべき重要な力量の一つと考えています。

地域の高齢化

 左京区の当院周辺でも他の地域と同様に高齢化が進んでいます。高齢者の方々を診察するに当たっては様々な面を観察し、それぞれに対応していく必要性があります。困っておられることに対して、臓器の側面で(心臓疾患なのか肺疾患なのかなど)物事を考えていくにおいてもいくつかの臓器に病気をかかえておられることもまれではありません。また認知機能の低下がないか、日常生活動作の低下がないか、そして介護できる体制があるのかなど多くの内容を評価する必要があります。当院での医師研修においてもカンファレンスや日常のやりとりの中でそうした面での配慮ができているのかが問われることになります。治療的な面でも、臓器の病気が良くなってきても日常生活を送るにあたって機能の低下をきたしていることも多いため、リハビリテーションを要することが多くなります。また栄養状態が良好であることが疾患の治療やリハビリの進行に対してかなり影響するため、栄養状態がいかなる状況にあるのか意識するように指導をしています。

地域に役立つ医師養成

 高齢化社会が押し寄せつつある中、各病院はそれぞれの役割を明確に求められるようになってきました。当院は特に高齢者の方に対して、臓器の壁を乗り越えてあらゆる側面から患者様の病像にアプローチして、機能改善をめざす医療を求められていると感じています。病状の把握を多方面から理解しようとする、そして機能改善を重視して、最終的にはQOL(生活の質)を意識できるような医師育成をめざしてがんばっていきたいと思います。地域のみなさまのご指導があってはじめて完結することだと思います。今後とも宜しくお願い致します。

研修責任者 四方 典裕