神経内科

研修期間 総合内科、家庭コース終了後3年間
内科経験者3年間
研修施設 京都民医連中央病院、京都民医連あすかい病院
外部出向含む
学会認定資格 神経内科学会専門医
在籍研修医 1名
特徴 脳血管障害などの神経内科疾患の救急と専門医療を担当できる神経内科医を養成する。研修中の専門機関への出向研修も可能。

1.診療科紹介

当院は地域の救急病院として、関連病院および地域の各診療所のセンター病院としての役割を担っている。当科はこれらの関連施設での唯一の神経内科教育施設として神経内科疾患全般の診療を担当している。

2.後期研修の目標

社会人口の高齢化とともに、脳血管障害やパーキンソン病などの老化と密接に関連した神経内科疾患が増加している。今後もその増加が確実視され、神経内科医の不足が予測される。当院では、脳血管障害などの神経内科疾患の救急と専門医療を担当できる神経内科医を多く育成することを急務の課題と考えている。当院では後期研修を通して、①脳血管障害や炎症性疾患などの救急に習熟すること、②アルツハイマー病やパーキンソン病などに早期からの適切な対応を習得する、③頭痛やめまいなどの神経内科領域のcommon diseaseに対しても適切に対応できる、④リハビリテーションを深く理解し、神経疾患の在宅ケアにも適切に対応できる神経内科専門医を育てること、を目標としている。尚、本研修に参加できる医師は初期研修2年以上を修了しているものである。

3.当科の特色

神経内科専門医3名が診療を行っている。当院は日本神経学会認定教育施設を取得している。神経内科の関連科として重要なリハビリテーション科は現在、スタッフ35名(理学療法士 18名、作業療法士 14名、言語聴覚療法士 3名)が常勤配置されており、回復期リハビリテーション病棟を含め神経内科疾患のリハビリテーションは非常に充実している。また、神経内科診療に必要な画像検査(SPECT、MRI、CT、頚動脈エコーなど)、神経電気生理検査、神経心理検査、病理検査は医師と各部門技師の協力により日常的に行われている。また、精神神経科、小児神経科、整形外科などの関連科とは積極的に連携している。

4.指導医の専門分野と取得している専門医

京都民医連中央病院(臨床研修指定病院(管理型)、日本神経学会認定教育施設)

①科長 中村慎一
臨床神経学一般、神経病理学。主にパーキンソン病などの神経難病と頭痛学を担当している。(日本神経学会認定神経内科専門医、日本老年医学会認定老年病専門医、日本頭痛学会認定頭痛専門医、日本内科学会認定内科医、日本神経学会評議員、日本神経病理学会評議員)

②科長 磯野理
臨床神経学一般。特に神経心理学、脳血管障害を専門としている。(日本神経学会認定神経内科専門医、日本脳卒中学会専門医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医、日本内科学会認定内科医)

京都民医連第二中央病院(臨床研修指定病院(協力型)、日本神経学会認定教育関連施設、日本リハビリテーション医学会教育施設)

①病院長 門祐輔
臨床神経学一般。特に、リハビリテーション、脳血管障害を専門としている。(日本神経学会認定神経内科専門医、日本脳卒中学会専門医、日本内科学会認定内科専門医、日本リハビリテーション医学会専門医・指導責任者、日本脳卒中学会評議員、日本リハビリテーション医学会近畿地方会幹事)

②医長 中村紀子
臨床神経学一般。特に神経電気診断学を専門としている。(日本神経学会認定神経内科専門医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医、日本内科学会認定内科医)

その他の関連病院にも神経内科専門医と関連学会の専門医、認定医(リハビリテーション専門医、同認定臨床医)が勤務している。

5.神経内科後期研修プログラム

①後期研修1年目
神経内科入院患者の主治医として指導医のもとで診療に従事する。本年度には、①脳血管障害などを中心に神経内科学の基本を習得する、②神経内科テキストの通読をおこなう。
1年間の研修内容は、神経学的診察法、検査プランのたて方、診断法、治療法、神経内科救急の対応法の習得と神経内科外来での問診聴取診察の担当である。また、週1回の神経内科回診(水曜日午前9時から12時)と神経内科カンファレンス、文献抄読(月曜日午後2時から5時まで)をおこなう。
臨床神経生理分野については、筋電図一般と脳波について、当院または京都民医連第二中央病院で隔週1単位ずつ研修する。
外来は週2回太子道診療所神経内科外来(月曜日と木曜日の午前9時より12時まで)で新患数名の予診の聴取と診察を行い担当医より指導を受ける。
神経放射線は受け持ち患者に加えて、神経内科回診とカンファレンスでの対象患者について、CT、MRI、SPECT、頚動脈エコーの画像を指導医とともに判読する。また、放射線科と生理検査室で各10単位の研修を行う。
 週1回のリハビリテーションカンファレンスに参加し、受け持ち患者についての議論を通して、リハビリテーションの処方の仕方と進め方に習熟する。また、受け持ち患者のリハビリテーションの現場に付き添って、指導医、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の指導のもとで実際の手技を習得する。さらに、リハビリテーション療法の習得のために10単位のリハビリテーション課での研修を行う。
神経疾患の在宅治療の方法を研修するために、本年度または後期研修3年目に週1単位の往診を行う。
 京都民医連神経内科・リハビリテーショングループカンファレンス(京都民医連第二中央病院にて第4火曜日午後7時30分より行っている。)に参加する。その他、当院において週1回行われている内科カンファレンス(金曜日午後3時30分から5時まで)と内科文献抄読会(水曜日午前8時15分から同45分まで)にも参加する。

②後期研修2年目
原則として院外研修を行い、日常診療では経験しがたい症例についての診療の研修を行う。また、神経内科領域での再生医療などの最新の治療法、診断技術について研修する。(ただし、研修の時期については必ずしも2年目に限定せず、時期の変更はありうる。)
関連他科(脳神経外科、放射線科、小児神経科、病理)を関連病院にて研修する。

③後期研修3年目
神経内科の病棟主治医として診療する。また、後期研修医1年目の医師を指導する。外来は指導医とコンサルトできる体制のもとで週1回の神経内科外来を担当する。神経電気生理は指導医の指導のもとに、実際に自分で検査を行う。画像検査は独力で判読し、必要に応じて指導医や放射線科医の意見を求める。

④後期研修終了後
神経内科の病棟主治医として単独で診療をおこなう。外来は週1回の神経内科外来を担当する。卒後7年目に日本神経学会神経内科専門医試験を受験する。
尚、後期研修の開始は初期研修2年を終了した卒後3年目以降である。

6.短期研修コース

後期研修プログラムとは別に、神経内科を集中して研修することを希望する医師向けに設定するコースである。期間は6ヶ月から1年で、希望する研修の内容と診療経験年数に応じて適宜決定する。研修の開始時期は不定期とする。

7.研修修了後の進路

京都民医連所属の各病院で神経内科常勤医として、勤務ができる。