公益社団法人 信和会 京都民医連第二中央病院

特集1 専門外来「皮膚科」「眼科」

あすかい病院の外来では、内科や精神科、整形外科など様々な診療を行っています。
前号に引き続き、当院で開設している専門外来を二つ紹介します。
それぞれの専門医にお話を聞きました。

●皮膚科 赤木 有沙(担当日時:火曜日 午前)

どのような疾患、症状の方が受診されますか?

健康診断で受診される方の他、定期通院では子宮や卵巣の良性腫瘍の方、月経不順や月経困難症の方など、いろいろな疾患の方が受診されます。患者さんの年齢層も、高齢の方から学生さんまで幅広く、症状も様々です。

どのような疾患、症状の方が受診されますか?

代表的なものには以下のような疾患があります。

  • 湿疹・皮膚炎:アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、脂漏性皮膚炎、かぶれ(接触皮膚炎)など
  • 蕁麻疹
  • 薬疹
  • 水疱症
  • 乾癬、掌蹠膿疱症、
  • 外的誘因による障害:とこずれ(褥瘡)、うおのめ(鶏眼)、たこ(胼胝)など
  • 感染症:とびひ(膿痂疹)、おでき(せつ、よう)、ヘルペス(単純疱疹、帯状疱疹)、水虫、タムシ(白癬症)など
  • 色素異常:尋常性白斑など
  • 脱毛
  • 皮膚腫瘍:いぼ(疣贅)、皮膚がんなど
どのような診察、検査をされますか?

問診と皮膚を診察します。腫瘍性病変の場合はダーモスコピー、感染症が疑われる場合は、顕微鏡検査や培養検査を行います。組織学的な診断が必要な場合には、病変の皮膚を採取する皮膚生検を行います。

アトピー性皮膚炎について教えてください

かゆみを伴い慢性的に経過する皮膚炎ですが、その根本には皮膚の生理学的異常(皮膚の乾燥とバリア機能異常)があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。

アトピー性皮膚炎と診断されたら、どのようなことに気をつけたらいいでしょう?

かゆみや湿疹をまず抑える事が重要です。ステロイド外用と保湿剤が基本となります。ステロイドの塗り薬は悪いときだけ塗るのではなく、徐々に塗る回数を減らしていくことで、上手にコントロールしていくことを目標にします。かゆくて引っ掻くと悪化し、さらにかゆくなって引っ掻くという悪循環を抑えるために、補助的にかゆみ止め(抗アレルギー剤)を飲みます。薬をしっかり塗り、正しいスキンケアを心掛け、お薬が無くなってからではなく、無くなる前に定期的に通院することが大事です。最近は、新しいヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬という塗り薬の選択肢が増え、この薬を用いることもあります。

普段診療していて患者さんに知っておいてほしいこと

皮膚の病気には、治るもの、治らないが症状を抑えて付き合っていくもの、生活習慣や環境要因の見直しで改善が期待できるもの、などがあります。処方された薬だけでは改善は難しいこともあり、患者さんにもご協力いただき二人三脚で臨むことが、治療と予防に大切です。

先生のモットーは?

「患者さんの皮膚を守る」です!

●眼科 横井 桂子(担当日時:水曜日 午前)

どのような方が受診されますか?

健康診断で眼科受診を勧められた方、目が赤い、痛い、痒いなど、目の不快感のある方、見えにくくなってきた、眼鏡があわないなど、見え方に困っている方など、様々な症状の方が受診されます。診療時間が午前中だけですので、比較的ご高齢の方が多いのですが、学生の方やお子さんの受診もあります。他の診療科と一緒に眼科を受診される方も多く、内科と一緒に糖尿病の定期的な眼底検査のために通院している方もいます。

どのような診察、検査をされますか?

視力検査、眼圧検査、視野検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査など、眼科一般の検査を行います。残念ながら、コンタクトレンズの検査・処方は行っていませんが、眼鏡の処方はできますし、視能訓練士がいますので、斜視や弱視の検査や眼鏡合わせもできます。
眼科の精密な検査には、より高度な検査機器が必要なことも多く、大学病院や、眼科専門クリニックを紹介することもありますが、普段は当院に通院して、時々専門的な診療を受けていただくなど連携を密にとっています。

白内障の手術はしていますか?

白内障をはじめ、手術処置はしていません。必要な時は、手術可能な病院を紹介します。近隣には多くの大学病院、総合病院、眼科専門クリニックがありますので、目の状態を診察し、ご希望をお聞きして、患者様に最も適した病院を紹介するよう努めています。手術後落ち着けば、当院に戻って経過観察させていただいています。

先生の専門分野は何ですか?

私の専門は、アレルギー性結膜疾患です。現在も、京都府立医科大学附属病院眼科のアレルギー外来を担当しており、アレルギー専門医として、アトピー性皮膚炎に合併する結膜炎や、春季カタルというアレルギー性結膜炎の重症の患者さんを診ています。

眼科外来の特徴を教えてください

眼科外来は1週間に3日で、それぞれの曜日で担当ドクターが変わります。どの先生も、経験が豊富で、しっかり話を聞いて丁寧に診療してくださいますので、安心して受診してください。