京都民医連第二中央病院広報誌 2010年5月発行 vol. 14

シリーズ:おススメDVD

神経内科 中村 紀子

Back to the Future

Back to the Future

原題
Back to the Future
1985年
アメリカ
監督
ロバート・ゼメキス

逃したくない一品、と言えば、これしかないといいうのが、「バックトゥーザフューチャーBack to the Future」である。あまりにも有名なので紹介するまでもないと思っていたが、これが意外と、見ていない人がいると知った。若い人、弱点のある人に見て欲しい。

 私にとって映画は、楽しくなければおもしろくない。気分を変える娯楽である。

 ダメパパ、ダメママ、ダメ一家の主人公の高校生男子が、変人天才科学者の発明した、車型タイムマシンに乗るはめになって、30年前の過去に迷入してしまう物語である。気づいたら古く懐かしい町並み、ファッション、メロディに遭遇する。何よりもぶつかった相手が、結婚前のまだ出会っていない高校生のパパ、ママと気づく。一体どうなっているの?

 遅刻ばかり、バンドギターに夢中のダメ主人公。いつも悪友たちから、からかわれ「Are you a chicken(腰抜け)?」と決めぜりふを言われると、とたんにカーとなってけんかに応じ、最悪の結果を招いてしまう。いつもそのセリフで自制心が吹っ飛んで失敗ばかり繰り返してしまう。

 20代で初めてこの映画を見た時は、ただ痛快で面白かった。何回か見直した時、見逃していた伏線に気づきさらに面白くなった。第2話、第3話と、未来、さらに遠い過去へとタイムトラベルが続くが、無駄が無いくらい、話がつながっている。元、子供だった親についても考えさせられる。因果応報、運命は避けられない。が、しかしである。ある時、自分のどうしようもない欠点に気付けば…っと、これ以上は言いません、言えません。第1話だけでも、いえ第1話から見て下さい。

 あなたにとって、「Are you a chicken?」は何ですか?痛快で、そして自信を無くした時きっと「未来」に勇気を与えてくれる、そんなベストワンです。