京都民医連第二中央病院広報誌 2012年4月発行 vol. 17
栄養課
栄養課は北館の地下にあり、入院患者さんの3食と精神科デイケア・通所リハビリなのはなの利用者さん・外来透析患者さんの昼食を作っています。非常勤も含めると、調理師9名、調理補助2名、管理栄養士3名が業務に携わっています。昼のデイケア分も合わせると、1日に約500食の食事を5~6人の調理師で作っています。
こんな食事を作っています
作っている食事を形態別に分けると普通菜と軟菜が約30%ずつ、きざみとろみ食やミキサー食、ゼリー食などの嚥下食が約25%、残りの15%は注入食や流動食です。治療上、カロリーや塩分などなんらかの調整をしている特別食が半分強あり、それぞれに形態が分かれるので、細かく分けると30種類ほどの食種になります。
食事をお出ししている患者さんのうち約7割が75歳以上で90歳代の方も20名ほどおられます。おいしさの要素には、味、ボリューム、見た目、組み合わせ、温度などいろいろありますが、高齢の方にとっては、食べやすさは重要です。隠し包丁を入れたり、普通食でも、やややわらかめ、小さめ、薄め、細め、しっとりめの仕上がりをめざしています。
若手からベテランまで
2011年の4月には新人3名が入職しました。10年ぶりに20代が入って平均年齢は若くなり、スタッフ一同、新たな気分で毎日の仕事にはげんでいます。2011年11月には茶山のさとに4名を送りだし、お互いに少ない人数でも直営の給食を守れるよう頑張っています。
14名のうち8名が経験年数20年以上と、ベテランスタッフが多い栄養課です。年々、嚥下食の必要な方が増え、学習したり、リハビリや看護と連携しながら、嚥下食の開発・改良を重ねてきました。ゼリー食やきざみとろみ食は、20年前には作っていなかった食種です。入院・外来の患者さんの栄養指導もしていますが、近年は退院時のミキサー食やきざみとろみ食の作り方説明が増えています。入院前はご家族と同じ物を召し上がっていたのに、脳梗塞等で入院され退院後は嚥下食を作ることが必要となることもあり、戸惑われることがあります。ご家庭の状況にあわせて、配食や市販介護食の利用と手作りの選択・組み合わせができるような情報提供を心がけています。
健診後、腹囲や体重、血圧や血糖値などに要注意信号の出た方の特定保健指導(メタボ改善指導)は、管理栄養士で担当しています。生活スタイルに合わせてなるべく続けやすく効果のある改善策を一緒に考えていくように努めています。
直営給食の強みとして、材料を直接吟味しやすい、異動がほとんどないためスタッフがその施設の給食になじみやすい、患者さんや他部署のスタッフと意見交換し対応しやすい、などがあります。だしは毎日出しがつおからとっています。入院後、「野菜の味噌汁や煮浸しのおいしさを見直した。」とのご意見もいただいています。うなぎの骨からたれも手作りするかば焼きや手作りコロッケは人気メニューです。月に1~2回、行事・季節食の日を設けていますが、なるべく嚥下食の方まで「いつもと違うハレの日感」を味わっていただけるよう、今後も努力を続けたいと思います。
一見「こわもて!」のスタッフもいるかもしれませんが、実は気さくなメンバーです。
お気軽にお声かけください。