京都民医連第二中央病院広報誌 2012年4月発行 vol. 17
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242床から172床の病院へ―より施設・在宅を重視します―(院長より)
「ドイツアザミ」 Gorou Ishikawa
242床から172床の病院へ―より施設・在宅を重視します―
11月3日に転換型老健「茶山のさと」70床を開設し、本院は172床の病院になりました。今後の病院建てかえの際に余裕のあるスペースを確保することが直接のきっかけですが、これは国・厚労省が示している「入院から施設・在宅へ」の方向に合致するものでもあります。
人口当たりの日本の病床数は多いが介護施設定員は少ない、というのが国際比較の結果です。高齢化がさらに進むこれから10数年の青写真を厚労省が出していますが、入院ベッドは増やさず、その分を施設・在宅サービスで乗り切る。そのために2012年度から、おおむね30分以内に医療・介護・福祉・住宅が提供される「地域包括ケア」を進めようとしています。
身近なところで適切なサービスが受けられるのであれば、それにこしたことはありません。しかし実際に医療・介護事業を行っている立場から言えば、圧倒的に人が足りないのが実感です。これは医療・介護を受けておられる方々も感じておられるのではないでしょうか? 病床当たりの医師・看護師数は、国際的に見て日本は圧倒的に少ないのです。
この分野の人員を増やすことが、厚労省の青写真をうまく進める方法です。それが今問題になっている雇用の確保にもなり、安心できる医療・介護体制をつくることにもなります。こうした声を、あらゆる機会にあげていくことが大切だと思います。