京都民医連第二中央病院広報誌 2008年11月発行 vol. 11
健康友の会ボランティアサークル
「あゆみの会」の紹介
「あゆみの会」は、病院や健康友の会のお仕事をお手伝いしてくださっているボランティアサークルです。2008年9月30日現在、200名の方がボランティア登録されています。
主なボランティア内容は、健康友の会だよりの郵送作業や手配り、通所リハビリやデイサービスへ通所される方のお話し相手やお食事の準備、外来案内、月に一度のお食事会の準備、入院患者様と一緒に歌やゲーム、古布切りなどです。
みなさん、民医連の病院を支えるために、頑張ってくださっています。このような地域の方々の善意に支えられていることに感謝しつつ、今回この紙面で紹介させていただきます。
外来案内や高原デイサービスでボランティアとして活躍されている林元子さんの手記を紹介いたします。
長年の病院外来やデイサービスのボランティアで実感していることは高齢化のスピードの速さです。
これまでの国の仕組や暮らし方、現役世代の認識の甘さが「高齢者はお荷物」という風潮に一部出ています。(誰でも必ず高齢者になるのに)
一方、加齢故に発症する病気は、そのほとんどが完治しない慢性的な病であることが長年通院されている患者様の様子から伺えます。
病気を持っていても、いかにその人のQOLを高めることができるかが最も重要ではないかと考えています。
「人間の体には元々健康に戻そうとする自然の力があり医師はそれを助けるのが任務である」(ヒポクラテスの誓い)と今日の免疫の考え方に通じる人間の自然治癒力の思想がありますが、そのためには病気発症の裏側ーその人の生活や仕事や、家族関係、経済的な問題等を知ることが必要だと思います。つまり病気だけを診るのではなく人間を診ることの重要性です。
昔から「病は気から」とも言われてきました。それは「医療者」と「患者」の信頼関係が築かれていなければ不可能なことです。しかし現実の医療の現場では限られた時間内で多くの患者様を診なければならないという医療者の多忙な現実があります。
そこで制約のない自由な活動ができるボランティアの出番です。長年のお付合いで各人各様がかなり理解できるようになり患者様のかかえる不安、苦痛、人間関係など、さまざまな訴えを傾聴しています。これはボランティアにとって最も大切な仕事だと考えています。
さまざまな内容の話を聞くことは、時に私にとっても辛いことがありますが話し終えた患者様のホッとした笑顔に私の方も元気のエネルギーを戴いています。
「時には癒せる
和らげることは しばしばできる
慰めは いつも与えることができる」
―アンブロアズ・パレ―
近代医学のめざましい発展にもかかわらず、いまだにこの16世紀の医師パレーの言葉のように病める人々にとっては何にもまして差し伸べられる手の温もりが何よりも生きる支えとなることでしょう。その手は、家族であり、友人であり、時にはボランティアであるかもしれません。
あゆみの会メンバー
療養病棟 うたごえ
ボランティアのメンバー
手話をまじえて歌います