京都民医連第二中央病院広報誌 2007年9月発行 vol. 9

特定健診・特定保健指導

新しい健診と保健指導が始まります

 みなさんは、平成20年4月から始まった「特定健診・特定保健指導」をご存知でしょうか。
 これまでは、市町村の実施する保健事業として行われてきた「基本健康審査」がなくなり、代わって実施された新しい制度のことです。
 脳卒中や心筋梗塞を防ぐために、特にお腹まわりに溜まる内臓脂肪に着目している点が特徴的で、あなたの加入する健康保険がそれぞれ健診の実施義務を負います(健診の義務化)。これまでの市町村の住民健診を受けていた方も国保の加入者は国保健診、政管健保の加入者は、政管健保の健診を受けることになります。
 この制度は、医療費抑制の目的で導入されましたが、私たちは健康づくりの第一歩として積極的に活用していく立場です。

メタボリック・シンドロームに着目するのはなぜ?

 メタボリックシンドロームは、自覚症状はほとんどありませんが、放っておくと動脈硬化が進み、将来、脳卒中や心筋梗塞を発症する危険性が高くなります。例えば、危険因子<肥満・高血圧・高血糖・脂質異常>が3~4個ある場合、1つもない人に比べて心臓病を発症する危険度が約36倍に高まるといわれてます。

特定健診の対象者となるひとは?

 メタボリックシンドローム数の多い40~74歳の方が全員対象です。被保険者ご本人はもちろんのこと、ご家庭にいる被扶養者の方も対象となり、国をあげての取り組みがスタートすることになりました。
 (75歳以上の場合、健診は努力義務、保健指導は本人の求めに応じて市町村で行います。)

これまでの健診とどこが違うの?

 これまでの健診は、病気の早期発見・早期治療が目的でした。特定健診はメタボリックシンドロームのリスクを持っている方を早い段階で見つけ出し、その対象者の状況に合わせた保健指導をし、生活習慣改善のサポートをしていくことになります。

どんな検査があるの?

 検査内容は、メタボリックシンドローム《内臓脂肪症候群》とその予備群を選び出すための基本的な健診項目、医師の判断により追加される詳細な健診項目があり、表の通りです。そのほか、ご加入の健康保険によっては同時に他の健診項目を実施する場合もあります。

特定保健指導の対象となるひとは?

 特定健診で腹囲測定や血液検査でメタボ予備軍と判断された方を、医療機関ではなく保険者が“保健指導”の対象者として選び、利用券を送ります。それを持って保険者と契約している指導機関などで保健指導を受けます。

どんな保健指導が受けられるの?

 まず、健診結果と質問票の内容から、生活習慣改善の必要性(リスクの程度)に保健指導のグループ分けをします。

情報提供

 リスクが低い方には、パンフレットなど配布し、生活習慣の見直しなどの情報を提供します。

動機付け支援

 リスクが中程度の方には、個別面接やグループ学習により、それぞれのライフスタイルに合った改善方法を見出して目標を決め、半年間実行します。

積極的支援

 リスクが高い方には、動機付け支援と同様に目標を決め半年間実行する間に、医師・保健師・管理栄養士・看護師や運動指導員などの専門家が定期的にサポートし、生活習慣改善のお手伝いをします。
 但し、糖尿・血圧・脂質異常で服薬中の方は原則的に保健指導はしません。

保健指導を受けるには、どうしたらいいの?

 保健指導を受ける方法は、あなたの加入する健康保険によって異なります。職場に保健師などが訪問して受ける方法や、保険者から発行される「特定保健指導利用券」を持って保健指導機関で受ける方法、健診日に健診結果が出て保健指導を受ける方法など、さまざまあります。今後、加入する健康保険の保険者(社会保険庁、健康保険組合、共済組合、市町村など)からお知らせが届くと思います。詳しくは加入する健康保険の保険者にご確認ください。


◎ 必須項目
○ 医師の判断で実施
京都市国保は65歳以上の方全員に心電図を実施します。
新しい健診と保健指導が始まります

当院の健診・保健指導体制について

月曜~金曜日
午前9:00~11:30

保健指導の通知が来ましたら、お電話で申し込んでください。
当院は、予約制になっています。どうぞ皆さんご利用ください。

京都民医連第二中央病院 健診課
075-712-9160
健診課課長 松永睦子

当院の保健指導体制

左から
日野管理栄養士 松永看護師
床井管理栄養士 山口管理栄養士

癌検診も受けましょう
当院では胃・大腸・肺・子宮・乳房の検診が可能です。