京都民医連第二中央病院広報誌 2005年11月発行 vol. 4

薬の副作用の話

みなさんは薬の副作用をどのようにお考えでしょうか?

 「副作用とはその薬の効果と無関係な出来事であり、あってはならないこと」「副作用のある薬は飲みたくない」というように考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、副作用の多くは、そのくすりの主作用、すなわち効果と密接に関連した現象なので、一定の頻度で現れるものなのです。(もちろんできる限り副作用の頻度の少ない薬を選択する努力はしているのですが。)

今回は一番多い、効果が強く出すぎる場合について詳しくお話しします

 次にあげるのはほんのわずかな例にすぎませんが、参考にしてください。

  • 血圧を下げる薬が効きすぎると、血圧が下がりすぎ、めまい・たちくらみなどがおこります。これらの症状は薬の量の調節でコントロールできる場合が多いのです。
  • 狭心症の薬は、心臓に酸素や栄養を送っている血管を拡げる働きがあります。この薬を飲むと、他の血管も拡がります。頭の中の血管が拡がることで頭痛がおこります。慣れでこれらの症状を感じなくなる場合もありますので量をそのままで、慣れるのを待つ場合もあります。他にかえる薬がなければ、心臓発作を抑えるためにはがまんして飲み続けていただく必要があります。

予想される副作用を知っていることと対処の仕方

 新しい薬を処方されたら、医師や薬剤師からよくおこる副作用について説明を受けましょう。(その薬に重い副作用をおこす可能性があればそれについても説明を受けましょう。)そしてその場合の対処について指示をもらっておくのが理想的です。現れた症状は副作用と考えていいのか?もしそうならば、薬は中止すべきなのか?継続してよいのか?量はこのままでよいのか?まず、医師や薬剤師に相談して、すぐ診察すべきか?次の診察でよいか?を聞きましょう。

 症状によっては、病気の悪化・別の病気の発症という場合もあるので、医師の診断は欠かせません。また、軽微な副作用の場合、副作用と付き合いながら服用することが病気のコントロール上必要な場合もあります。

情報の共有

 医師は薬による治療効果とおこりうる副作用の重みを見比べながら、薬を使用します。そして一番バランスよい薬を選び、量をきめます。検査の結果から副作用がでていないか、患者様の訴えから副作用はおきていないかを判断します。患者様からの情報は大変有用です。ぜひ、薬を服用してどうだったかを伝えてください。服薬できなかった場合はなぜかを率直に話していただければ、問題解決の糸口になります。「この薬、どうも飲むと調子悪いんやわ。飲んでへんけど、先生には悪いし、内緒にしといてな」薬剤師はこんな話をよくお聞きするのですが、このあたりの問題解決にもお役にたてればと考えています。

 副作用の重い・軽いにかかわらず、感じる不安・恐れ・不快感、薬を使用しない場合の病気の予後、そのバランスをどうするか?ご一緒に考えていきましょう。必要な情報をお知らせし、薬物治療に役立てたいと願っています。

 今回、紙面の都合で薬物過敏症や重大な副作用とその初期症状について、お知らせすることができませんでした。是非、またの機会にお知らせしたいと考えています。

薬の副作用のメカニズムについて

副作用には次にあげる3つの現れ方があります。

  1. 効果が強くですぎる。目的としない臓器に効果が現れる。
  2. 薬物過敏症(アレルギー)
  3. その他

(まだまだ解明されていない部分もあります)

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  • 薬剤師
  • 神谷厚子
  • でした。