特集 あすかい病院のHPH
HPHの目的
HPHの目的は、病気や不健康な状態の原因を決して個人の責任にせず、社会全体で人々の健康づくりをすすめ、究極の目標である「平和」を追求することです。
この間、世界では社会と健康の関わりが科学的に証明され、「健康の社会的決定要因」の存在が確認されています。具体的には「幼少期」「社会的排除」「労働」「失業」「社会的支援」「薬物」「食品」「交通」といった項目が原因となり、健康格差を生んでいることが研究で明らかになっています。「スポーツ関連のサークルに参加している人の割合が多い地域は転倒リスクが低い」、あるいは「収入が低い人ほど糖尿病の合併症が増える」のはその一例です。健康格差を解決するため、社会保障制度の改善と、健康な社会を住民とともにつくるヘルスプロモーション活動(健康に影響を与える環境を改善していく社会的活動)が今こそ求められています。
転倒予防教室①

過去1年間に転倒したことがある方は、再度転倒する可能性が高いと言われています。転倒予防教室では、身体能力を測定して転倒危険度を判定し、転倒の要因や住環境の危険リスクと対策について講義します。
転倒予防教室②

「足腰が弱った」「ちょっとの段差でつまずいてしまう」
転倒しないためにどんな運動をしたらいいのか、実際に座位体操や太極拳などを行い、理学療法士が専門的なアドバイスをします。
あすかい病院のHPH活動
地域住民の健康増進を図るために、退院後の患者さんの様子を伺う「お元気ですか訪問」や気軽に医療介護を考えてもらう「まちかど健康チェック・地域医療懇談会」、当院のリハビリスタッフによる「転倒予防教室」など、様々な取り組みを行っています。また、スーパーや薬局を訪問し、当院栄養課が作成した料理のレシピを設置してもらう活動も開始しました。そして、民医連運動のパートナーである健康友の会と協力し、通院が困難な患者さんの送迎ボランティアや各種サークル活動・お食事会などを通じて、住みやすく孤立を生まない地域の居場所作りを進めています。医療費を心配することなく受診していただく「無料低額診療事業」や平和や憲法、社会保障制度を改善する運動も健康を守る重要な取り組みとして位置づけ活動しています。職員の健康づくりにおいても部署ごとで目標を設定し実践しています。
置きチラシ

地域のスーパーに当院栄養課が監修したレシピ「おうち時間でらくらくクッキング」を設置しました。今後も健康にまつわる情報を気軽に手に取っていただけるような取り組みを進めていきます。
健康チェック

京都左京健康友の会の健康づくり委員会主催で、北白川のスーパー前をお借りして無料健康チェックをしています。血圧と骨密度の測定、看護師からの結果説明と健康相談を行います。
民医連運動そのもの
あすかい病院は「安井病院」の時代から民医連事業所として、健康友の会をはじめ地域とともに「安心して住み続けられるまちづくり」を進めてきた歴史があります。紹介した活動は皆さんにとってどれもなじみがあるものばかりではないでしょうか。HPHは決して特別なことではなく、これまでの活動をさらに多くの人々に知ってもらい、ともに発展させていく民医連運動そのものです。
新型コロナウイルスの影響で今もなお不安な思いをされている方がたくさんいらっしゃると思います。今後もあすかい病院は、皆さんの不安を少しでも和らげ、健康で安心して暮らせる地域の拠り所になれるよう努力していきたいと考えています。
(HPH事務局 伊藤翔大)
送迎ボランティア

京都左京健康友の会の送迎ボランティア。病院の診察後、ご自宅までお送りしています。「足が悪く通院が大変だったので助かります」と喜ばれています。
医療懇談会

地域医療懇談会は医療従事者が直接皆さんにお話しする場として毎回好評です。その時々に合った皆さんの関心や不安なことに寄り添えるようなテーマ設定を心がけています。