京都民医連第二中央病院広報誌 2005年11月発行 号外

地域とともに―これまでも、そしてこれからも
1955―2005

Message

京都民医連第二中央病院
院長 門 祐輔

社会変革の伝統を受け継いで
―連携を重視し地域の健康を守ります― 

 本院は今年50周年を迎えることができました。これも地域の方々や「健康友の会」、諸団体、医療・福祉機関の方々の支えがあってのことです。心からお礼を申し上げます。

 本院は安井信夫初代院長が「いつでも、どこでも、だれもが安心していい医療が受けられるように」と開設し、その後増床を重ね、1997年からは京都民医連第二中央病院と名称を変更し現在に至っています。

 この50年間の医療技術の進歩はめざましいものがあります。私たちはこうした進歩を積極的に導入し、日々の診療に活かしてきました。今は一つの医療機関ですべてのことを行う時代ではありません。地域の医療・福祉機関と連携し、地域全体で、安全で安心できる医療や介護を提供できるよう全力を尽くしていきたいと思います。

 一方で、日本の医療・福祉・社会保障制度は大きな分岐点に立っています。「市場原理」「競争」「効率」を重視した「格差社会」をさらに拡大するのか、「安全・安心」「共生」「一人一人が大切にされる社会」をめざすのかが焦点です。国のあり方そのものが問われているのです。

 なし崩し的に進められる国民を不幸にする「改革」ではなく、本当に一人一人が大切にされる「社会変革」が求められます。本院開設の原点に立って、職員一同努めていきます。今後ともよろしくお願いいたします。


第二中央病院健康友の会会長 有吉孝雄

「時時に初心忘るべからず」

 第二中央病院創立50周年、おめでとうございます。健康友の会会員の皆様とともに、また安井病院時代よりの古き患者の一人として、患者の皆者とともに、心よりお祝い申し上げます。

 半世紀の長い間、地域住民の命と健康を守る砦として、私たちに安心と安全を与えてこられたこと、厚く感謝いたします。これは創立者安井信雄先生の「患者の心によりそう、患者に最善の医療を」の精神が、歴代院長先生の下に全職員に徹底し、医療・社会保障の厳しい逆流の中にあっても、世阿彌のいう「ときとき時時に初心忘るべからず」のとおり、守り続けてこられたことにあると思います。

 健康友の会は、現在の南館建設当時、建設協力金募集運動の中から、1977年に生まれ、職員の皆様方のご協力があったからこそ、現在の活力を得ることができました。「体の健康」「心の健康」「社会の健康=平和」を銘に、友の会も安心して住み続けられるまちづくりをめざして頑張ります。