京都民医連第二中央病院広報誌 2007年9月発行 vol. 9
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激動の2008年度がはじまった―「医療崩壊」から「医療再生」へ―(院長より)
「池・南禅院」Gorou Ishikawa
激動の2008年度がはじまった―「医療崩壊」から「医療再生」へ―
いよいよ今年4月から本格的な医療改悪がはじまりました。医療費抑制のために、病気にさせない(「健診義務化」)、入院させない(療養病床の削減をはじめとした病院つぶし)、高齢者には新たな保険料負担と安上がりの医療を押し付ける(「後期高齢者医療制度」)、という政策がスタートしたのです。しかし「後期高齢者医療制度」は「現代版うば捨て山」と大混乱、「健診義務化」の医療費抑制効果は疑問視されています。療養病床削減により、救急病院では受け入れた患者の転院先がなく、新たな救急患者が受け入れられない事態が生じています。
医療費抑制策では「医療崩壊」といわれる現象がさらに進行することが示されたのです。医療や社会保障にもっとお金を投入しないといけない、という声がマスコミや政界でも大きくなってきています。医療政策を転換させ、「医療再生」に向かう力を大きくしていきたいものです。
一方で、地域ごとで病院や診療所の機能を明確にして有機的な連携を再構築していくことも大切な「医療再生」の課題です。本院は4月から全身麻酔が必要な手術を中止しました。この分野は病院間の連携で行っていきます。その代わり従来以上にリハビリテーションを重視し、在宅医療を支える機能を強化します。リハビリスタッフは50人に近い体制になり、入院、外来、在宅の場で力を発揮しています。
本院および同法人の診療所では2月から電子カルテを始めました。院内および診療所との情報交換がスムーズに行われ、質の向上に結びついてきています。まだ操作に慣れないこともあり、診察の遅れなど目につくことがあるかと思いますが、いま少し温かい目でみてください。
内外ともに激変する状況をしっかりと乗り切っていきたいと思います。